高齢者高齢者の膵臓癌に対するNab-Paclitaxel Plus Gemcitabineの至適容量

今月の論文紹介,医療

予後の悪い膵臓癌、皆さんはどのように治療されていますか。若くして膵臓癌に罹患される方もいて、強力な治療でも何とか手術に漕ぎ着ける、QOLを維持しながらも予後を伸ばすということに尽力されているのではないかと思います。
しかし高齢者、とくに70代も後半になってくれば強力な治療に耐えられるかという忍容性の問題が大きくなってきます。具体的には、QOLを保ちつつ生命予後を伸ばすためには、単剤か併用か/その容量をどうするかという問題です。

以前に、高齢者でもGnPは有効かつ安全とした論文を紹介しました。
今回は、その容量に踏み込んだ論文です。小規模の単施設後方視的研究ですので仮説の段階ではあります。また1コース目だけの容量に焦点を絞った研究であることに留意してください。またアブストラクトも公開はされていないので、英語本文の表示は控えて、私の解釈だけになります。

方法:
GnPを投与した高RDI(relative dose intensity=要は容量です笑):>70%、中RDI:50-69%の2群に分けて検討しています。

結果:
最初の 4 週間の RDI が高い症例では、重篤な有害事象のために AG を中止する患者が有意に多く、RDI が中程度の患者では 2L 化学療法への移行がより頻繁であった。
最初の 4 週間の RDI が中程度の高齢の患者は、OS 期間が有意に長かった。
多変量解析では、最初の4週間のRDIが中程度であることが、OSの独立した予後因子であった。

考察:
最初の4週間のRDIが中程度である患者の生存期間が長い理由は、1L化学療法の中止率が低く、2L化学療法の導入率が高いためと思われる。
そのため最初の 4 週間の最適な RDI は 50%~69%であると思われるが、コース途中のskipが多いかったこの研究では、毎週投与ではなく隔週投与が多いと考察した: “初回4週間の全量を2回投与した場合のRDIは約67%であった。また,1段階減量(80%)2クール投与のRDIは,最初の4週間で約53%であった。したがって,中等度のRDI(50%~69%)は,最初の4週間の2回投与を反映していると考えられた。" したがって,高齢者では隔週投与が望ましいと考えられた。

結論:
高齢者 APC 患者の AG 期初 4 週間の RDI は,50%~69%で,隔週投与が最適である可能性が示唆された

今後は、今回の研究結果 “高齢のAPC患者にとって隔週投与が最適"は、さらなるレベルの高い研究によって明らかにする必要があります。また1コース目のRDIだけでなく、全コースとしての目標になるRDIの研究も必要ですね。

今月の論文紹介,医療

Posted by ガイドワイヤー部長