PTGBDチューブの抜去時期
PTGBDをいつ抜去するか。2〜4週間を目安にしている施設が多いのではないかと思うのですが、根拠はありますか?
実はエビデンスの構築としては不足しています。多くのガイドラインでもPTGBDの適切な抜去時期は記載がありません(Management of Patients With Acute Cholecystitis After Percutaneous Cholecystostomy: From the Acute Stage to Definitive Surgical Treatment)。
この論文によると、経肝ルートと肝臓を介さないルートで、抜去時期は異なるとしています。その理由は、PTGBDで穿刺をしたトラクトが成熟する期間が頃なるためです。
その根拠となる1998年の論文では、「PTGBDを留置してから2週間後にトラクト造影を行い、漏出がなければPTGBDを抜去/漏出があればその後は1週間ずつトラクト造影を繰り返していく」という実験をしました。経肝ルート15例と肝臓を介さないルート15例で実験を行い、前者は2週間、後者は3週間でトラクトが成熟するという結果を報告しました(Maturation of the tract after percutaneous cholecystostomy with regard to the access route)。
※余談ですが、以前は経肝ルートの方が、肝臓を通さないルートよりも胆汁瘻が少ないので安全と言われていました。しかし最近では、臨床的な有効性も合併症も差がないことが報告されています(AJR2018、Hepatogastroenterology2010)。経肝ルートの利点はPTGBDチューブの安定性であり、肝臓を通さないルートは腹壁癒着胆嚢/凝固障害/肝疾患を持つ症例で適する可能性も報告されています。
通常は経肝ルートでPTGBDチューブを留置すると思いますので、2週間は目安としていいようですね。
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