重度ヨードアレルギー患者へのERCP

2021年6月30日

ヨード造影剤にてアナフィラキシーを発症した既往のあるような患者さんへの対応は、どうしてますでしょうか。

血管投与でアレルギーが出ても、胆管投与では問題なかったとする報告があります(Draganov PV, et al. Gastrointest Endosc 2008) 。
ヨード造影剤投与前に重篤な副作用を低減できる強いエビデンスはありませんが,ヨード造影剤投与前にステロイドや抗ヒスタミン薬を用いること で副作用全体の発現率が低下したとの報告はあります(後藤眞理子ら. 臨床画像2007)。

アナフィラキシーと言っても、下痢や腹痛、軽度のwheezeなどの比較的軽い症例であれば上記のような対応で初回ERCPに望むことは選択肢になると思います。しかし挿管や心停止するようなショックを来たした症例では、体内のどこであってもヨード造影剤自体を使用する気には中々なれません。


そのような症例に対してERCPを行う場合に検討の余地があるのが、ヨード以外の造影剤です。
CO2やMRI用のガドリニウム造影剤(マグネビスト)の報告があります。

ガドリニウム造影剤によるERCP

私はCO2の経験はありませんが、ガドリニウムの使用経験は2例ほどあります。問題点は、造影剤としての視認性がヨード造影剤の5倍希釈程度ということと、ヨード造影剤アレルギーがある場合、ガドリニウム造影剤でも6%程度に副作用が発現する(アレルギーがない人の3倍)ということです。

上の画像は膵管造影で、膵尾部での狭窄とその末梢での嚢胞形成を描出しているものです。
視認性としてはなんとか分かる程度です。

重症ヨードアレルギー症例に対するERCPでは、CO2やマグネビストが選択肢に入りますね。

以下に、ガドリニウム造影剤とヨード造影剤のまとめの表を載せておきます。

ヨードアレルギー(造影剤アレルギー)に対するガドリニウム造影剤。ERCP。