腹部の動脈瘤
腹部造影CTを撮影する機会が多い私たちは、時折接する疾患です。
膵炎後の合併症が代表的ですね。
しかし自然史や経過観察のリスクが明確ではないため、見つけると面倒に感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
腹部動脈瘤の局在頻度は、1位は大動脈、2位は総腸骨動脈ですが、これらはEVERや外科手術の適応がかなり研究されています。
コイルやヒストアクリルが主な塞栓物質である内臓動脈瘤とは一線を画しますね。ここでは、『頻度が少ないゆえに治療適応が明確でなく、見つけると困ることが多い内臓動脈瘤』の話にしたいと思います。
ちなみに、腹部動脈瘤ができる血管の3位は脾動脈で、内臓動脈瘤の中では最多です。剖検の5%にみられるようです。剖検集団が、日本全体の母集団を近似している標本かは分かりませんが、1億×5%=500万人。意外と多い。。。?
以下に内臓動脈瘤の頻度の内訳/成因のFigureを提示します。
個々の動脈瘤の特徴は、
妊娠が破裂リスクになるので、妊娠可能女性で動脈瘤を見つけたら放射線科と外科にコンサルトですね。
胃動脈、GDA、SMA、膵十二指腸動脈の瘤も見つけたらすぐコンサルトですね。
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