IPMNからの発癌経路
今回の紹介は、直接臨床に関与するものではないですが、IPMNの発癌経路の新たな発見の内容です。
元々IPMNは、それ自体が全体として癌化していくSequential type、IPMNに関係のない膵実質に通常型膵癌が生じるde novo typeが言われておりました。それらに加えてさらに、KRASとGNASの変異に着目し、併存するIPMNと浸潤部の両方に同一の遺伝子変異があるため、それらの大元は同じである。それをBranch-off typeとするとするものでした。
総合病院に勤めていると臨床的な内容にばかり眼が行きますが、このような発癌経路に目を向けることは、今すぐ臨床に直結するのではありませんが、その経路の中から早期診断法や新たな治療薬の開発などにつながる可能性があります。今後の研究の幅を広げる土台となる、まさに基礎研究として非常に重要なものと思います。
当院でも週に2回、がんセンターに研究員として出向きこのような基礎研究をしている消化器内科医がおり、総合病院の臨床医としても蚊帳の外の話ではないと思います。
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