悪液質に対するエドルミズ(Anamorelin)の有効性

今月の論文紹介,医療

今回ご紹介する論文は、消化器癌の悪疫質に対するエドルミズの効果を検討したものです。

悪液質とは、寝たきりに近い状態ではなく、食思不振と代謝亢進による負のエネルギーバランスのことを言うようで、
悪液質の定義は以下のように定められました:
試験参加前6カ月間の、
①不随意的な体重減少(5%以上)
②食欲不振、疲労、全身の筋力低下
③腕の筋肉周囲長(cm)<10%
④アルブミン<3.2 g/dL
⑤CRP<5.0 mg/L
⑥ヘモグロビン<12 g/dL
、のうち少なくとも2項目を満たした状態。

食事ができない状態、コントロールされていない精神状態、腹水、胸水、心嚢液のドレナージや胸腔穿刺を必要とする状態、コントロールされていない浮腫、心機能低下、コントロールされていない糖尿病の患者は除外されました。
すなわち、全然食べれなくてにっちもさっちも行かなくなったから投与するものではなく、負のエネルギーバランスが進行していると判断した時点でエドルミズを投与し、その効果を検証したようです。

また食欲に関わるステロイドや漢方薬は、試験期間中は中止されました。

結果は、63.3%の症例が治療に反応したそうです。体重、除脂肪体重、食欲などのスコアで効果を認めました。
副作用は、8割程度に認めましたが、重度のものはほぼなく、γGTP高値、糖尿病、心電図でのQRS延長などであったようです。

そのため、『胃、大腸、膵がん患者の食欲不振と患者の栄養状態を改善し、除脂肪体重と体重を急速に増加させた。エドルミズ治療は、12週間にわたり良好な忍容性を示した。エドルミズは、がん性悪液質患者にとって、臨床的に有益な薬物療法の選択肢となる可能性がある。』と結論されています。

私自身の症例でも、全く効果がない症例もありましたが、かなり効果があり、飲んだ直後から食欲が出過ぎて困るという訴えをされる方もいます。血糖コントロールに注意は必要ですが、症例によってはQOL改善ひいては化学療法が継続可能となり予後延長にも寄与できる可能性を感じる薬剤だと感じました。