膵癌の手術におけるCA19-9の役割
画像的に切除可能と判断した膵癌で転移や播種が見つかるリスクを予測するという報告です。数年前からこのような報告が出てきているようです。
画像的にresectableまたはborderline resectableの症例において、CA19-9≧150U/mlまたは腫瘍径≧30mmがハイリスク症例であることは既報にあったのですが、今回の報告ではそれらに加え「体尾部癌であること」が加わりました。これらの症例には審査腹腔鏡を検討した方がいいようです。
また別の報告では、resectable膵癌において、術前CA19-9が100以上で術後の予後が不良になるという報告もあります。
腫瘍マーカーは不正確というイメージでしたが、今後は術前検査として重要な意味を持ってきそうです。
(もちろんきっちり減黄してから評価が必要ですが)
またCA19-9は500をカットオフとして研究している論文もありました。日本外科学会でもトピックの1つのようです。
これらをまとめて、当院では現状CA19-9≧300U/mlをカットオフとして、審査腹腔鏡や術前化学療法を検討するようにしています。
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