胆管炎の抗菌薬投与期間

2021年10月10日今月の論文紹介,医療

皆さん、胆管炎に対する抗菌薬の治療期間はどう決定しているでしょうか。
胆管閉塞を解除しているかしていないかで方針を変える必要がありますが、ここではERCPなどで閉塞を解除した症例を想定しています。

この論文は、単施設の後方視的研究ですが、3日以内群とそれ以上群では、胆管炎のグレード、30日後の死亡率、3ヵ月後の再発率、入院期間に有意な差は認められなかったという結果でした。そのため、「胆道ドレナージが成功した軽度・中等度の胆管結石症による急性胆管炎患者に対して,3日以内の抗生物質投与が適切であることが示唆された」としています。

抗菌薬の短期治療は、「予後を悪化させることなく、入院期間、抗菌薬治療による副作用、コスト、および抗菌薬耐性の出現においてメリットがある」と考えられます。胆嚢炎の胆適後も抗菌薬は1日で終了で良いとするような論文も出たようですし、今後の抗菌薬治療はより短期間への方針になって行きそうです。



私の病院では、胆管炎はクリニカルパスでの診療にしており、ERCP翌日と3日後に採血を行います。
そこで臨床症状や採血データが良ければ、抗菌薬を終了としています。
ERCPは、入院当日または翌日に行われることが多いので、抗菌薬投与期間は4-5日であることがほとんどです。
ちなみに、最初に投与した抗菌薬に対する耐性菌が検出されても、臨床的改善を認めていれば抗菌薬は終了としています。
(私は、「最初に投与した抗菌薬に対する耐性菌が検出されても予後が悪くならない」という仮説を立てて、後方視的研究ですが300例程度で解析したところ、fatal outcomeには差がなかったです。)


また、以下は2021年12月に終了する研究ですが、抗菌薬の投与期間は5日以内とそれ以上で比較した多施設RCTです。
感染症で有名な岩田健太郎先生の研究です。またこの研究では、血液培養陽性を除外基準に入れていないと明記されています。私の施設でも血液培養陽性と抗菌薬投与期間に関連性はないと考えており、ここも結果を楽しみにしているポイントです。