介護度が高い65歳以上の患者さんへの人工呼吸器開始の是非
侵襲度の高い治療をする際、長期的視野に立ったとき、本当のこの患者さんのためになっているのだろうか?これが自分の親ならどうするだろう。。こんな思考は日常的にあります。
この問題に、私たち医療者と家族で意思決定をするための助けになる論文が出版されました。要介護度がついている高齢者(要支援以上かつ65歳以上)を対象に1年後の死亡率を比較した、データベース研究です。
結果は:
平均年齢は81.2歳で、55.5%が男性であった。
侵襲的機械換気時の要介護度なし、要支援1~2または要介護度1、要介護度2~3、要介護度4~5の4区分の患者における侵襲的機械換気後の1年死亡率は、それぞれ43.4%、54.9%、67.8%、74.1%となった。同様に、要介護度が悪化したものは、それぞれ22.8%、24.2%、11.4%、1.9%であった。
元の要介護度が高いほど1年以内に死亡しやすいですね。要介護度が2以上では約7割の方が死亡されています。逆に介護度が低い人ほど、疾患を乗り切った後の介護度上昇が大きいですね(元々介護度が高い人は、それ以上には上がりようがないということもあると思います)。
私たちはこういう情報を本人または家族に伝え、意思決定のサポートをしたいですね。こういった教育は、そういう状況になってからするよりも、本人が元気なうちに意思決定できるような環境を作っていくこともまた大事なことと感じています。
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