特殊な胆管炎

今月の論文紹介

急性胆管炎では、ほとんどが胆石か癌ですよね。でも今回ちょっと特殊な経験をしたのと、あとは免疫チェックポイント阻害薬の使用機会が増えてきており、それにより胆管炎が副作用(irAE)として起こることも知りました。そのため特殊な原因の胆管炎についての総説をご紹介です。

消化器内視鏡 Vol.34 No.6 2022

私が経験したのは胆管アミロイドーシス疑いの症例です。原因不明の胆管炎において、心、腎、肝、消化管などの障害が併存していた場合には、胆管アミロイドーシスに注意しようと思いました。
自験例で胆管アミロイドーシスの疑いに至った経緯は:
原因不明の胆管炎→肝炎かもしれない→免疫グロブリンの提出→IgG、M、Aなどが抑制されている→κ/λを提出し異常値→多発性骨髄腫(MM)またはMMとアミロイドーシスの合併またはアミロイドーシス単独というところまで臨床検査で絞られました。複数臓器からアミロイドの証明はできておりますので、あとは骨髄穿刺などでの多発性骨髄腫の存在診断を予定しています。

また今後の注意としては、冒頭でも述べたように、irAEとしての硬化性胆管炎ですね。irAE肝炎とは違い不可逆性変化になってしまう可能性が高いようなので、この病態を知っておき、早めに気付くようにしたいです。

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Posted by ガイドワイヤー部長