ERCP後膵炎予防の膵管ステント留置方法

ERCP後膵炎を予防するために膵管ステントが有用という報告が多数ありますが、その留置方法については研究が不足しています。今回はそれに関し、RCTで得られたデータセットを2次的に解析した研究の報告です。
(i)膵臓ワイヤーアクセスが膵管ステント留置(PSP)目的で行われたのか、それとも胆管挿管中に自然に達成されたのか、
(ii)PSPに費やされた労力の量、
(iii)ステントの長さ、
(iv)ステントの直径、
(v)ガイドワイヤー口径の影響
が調査され、いずれもERCP後膵炎予防に関して影響を認めなかったという結果でした。この中で私が最も興味があったのは、「(i)膵臓ワイヤーアクセスがPSP目的で行われたのか、それとも胆管挿管中に自然に達成されたのか」です。ERCP後膵炎リスクが高い患者さんに対して、”胆管挿管できた後でも膵管ワイヤー留置を試みるのか、自然にガイドワイヤーが入った症例だけ膵管ステント留置まで考慮するのか”は疑問でした。膵管ワイヤー挿入を後から試みた場合、逆にERCP後膵炎リスクを上げてしまわないか不安だったのです。
本研究は、「ERCP後膵炎のリスクが高い患者さんにおいて、膵管ステントを留置するために胆管処置のあとからでも膵管にガイドワイヤー留置を試みる」ことを後押しするものでした。RCTではないので強い結論は言えませんけど。
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