膵仮性嚢胞またはWONに対する内視鏡と外科治療
今回はこれを取り上げてみます。
このタイトルを見た時、5500症例!!と驚きましたが、開いてみたらメタアナリシスでした。
症例数だけ見ると、この論文の結論を信じたい気持ちになりますが注意です笑
【この論文の結論】仮性嚢胞、感染性膵液貯留、膵壁壊死をドレナージするための開腹および腹腔鏡下手術は、内視鏡下手術よりも死亡率が低く、成功率が高い。
ということなんですが、この論文、患者背景として年齢/性別/飲酒歴くらいしか調べていません。つまり交絡因子は調整できませんし、患者背景が揃っていない可能性の方が高いです。
症例数としては約100例ですが、多施設RCTのこっちの論文(Endoscopic or surgical step-up approach for infected necrotising pancreatitis: a multicentre randomised trial)の結果を信じた方がいいかなと思います。今回紹介の論文が、「レジストリ研究などで1つのデータベースに5500例集め、患者背景もきっちり確認して交絡因子を調整しました」とかでしたら一目置きたくなりますが。
私が現在患者さんに説明するときは、内視鏡治療 vs 外科治療では、成功率は同等ですが偶発症は内視鏡治療で低減されることが報告されていますので、そちらを選択する方がいいかと思います、と説明するようにしています。
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