胆管カニュレーション困難例におけるEUS-RV vs Precut(良性胆道疾患)

今月の論文紹介

私は、PubMedでERCP関連の新しい論文がインデックスされた際には、自動でお知らせが来るように設定しています。
ERCP関連の論文は、ERCP vs EUSみたいなテーマが多いですね。
以前に紹介した論文は、「遠位胆管における悪性胆道狭窄に対するERCP vs EUS」でした。今回は良性胆道狭窄に対してです。

結果:
合計100人
EUS-RV(= 50)とプレカット括約切開術(= 50)にランダムに割り当てられました。
技術的な成功率(92%対90%; = 1.00; 相対リスク、1.02 [95%CI、0.90から1.16])、手順時間の中央値(10.1対9.75分)、および全体的な合併症率(12%対10%;相対リスク、1.20 [CI、0.39から3.68])は、2つのグループ間で類似していました。
EUS-RV群の5人の患者(10%)と切開前括約筋切除群の5人の患者(10%)は、内視鏡下後逆行性胆管膵臓造影膵炎を発症した。

良性疾患の胆管カニュレーション困難例に対しては、ERCPとEUS-RVはほぼ同等のようですね。
同等ならば、ERCPスコープを抜いてEUSスコープを準備するよりも、そのままPrecutをやってしまう先生が多いように思います。またこの論文では、PrecutがうまくいかなければEUS-RVを、EUS-RVがうまくいかなければPrecutをやることで救済が可能としています。つまりERCP困難でEUS-RVをすると、不成功の際にERCPに戻してPrecutをすることになります。
成績は同じですが、手間を考えると今まで通りにPrecutからですね笑
ただし、Precut困難例に対するEUSによる救済はよりやり易くなったかなと思います。

今月の論文紹介

Posted by ガイドワイヤー部長