急性胆管炎治療に胆汁培養は必要か

今月の論文紹介

急性胆管炎治療において、胆汁培養の結果も加味して抗菌薬を選択すべきかに対して、RCTが実施されました。
結果は、臓器不全/全死亡/再介入率/治療期間/入院期間で非劣性が示され、軽症および中等症においては胆汁培養は不要と結論されました。

ただし、本文を見てみますと、本RCTのMethodは日本の実臨床との乖離が認められます。
・全例がERCPではなくPTBDによる外瘻によるドレナージであったこと
・初期投与の抗菌薬が広域抗菌薬であったこと(胆汁培養の助けがなくともスペクトラムを外さないだろう)

こちらはResult的にですが、最終的に抗菌薬を11-12日間も投与していることも、実臨床と乖離しています。
RCTですので内的妥当性(その試験内の患者への妥当性)は当然高いものですが、日本ではそんな患者はなかなかいませんので、私としては外的妥当性および一般化可能性は低い研究と判断しています。

今月の論文紹介

Posted by ガイドワイヤー部長