胆管癌の断端CIS陽性に対する見解
15年ほど前から、胆管癌は、遠位も肝門部もCIS (carcinoma in situ) の断端陽性なら、陰性と比べても予後が変わらないという報告が散見されるようになりました。それらをまとめたReview articleが2018年に出版されていたので紹介します。
今のところ断端陽性に対しては、CISについては悪化するという報告もありますが、悪化しないという見方の方が優勢なようです。しかし病理にてhigh grade dysplasiaとCISの違いを明確にすることが現在はまだ難しく、両者の混在してCISにまとめられていることが問題点として挙げられていました。
CISの断端陽性が予後不良因子だったとしても弱く、リンパ節転移N1がある症例の方が予後不良因子としては強いようです。
ただし、比較的早期『Tis〜T2かつN0』の症例では、CISの断端陽性でも予後不良になるようです。
また『CA19-9が64U/ml以下で遠隔転移がない症例』でも予後不良因子となるようです。
比較的進行した症例ではCISは残しても許容されるようですが、T2までの症例やCA19-9低値の症例では、R0手術は重要そうです。
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