肝腫瘍に対するEUS-TA

今月の論文紹介

肝腫瘍において、悪性リンパ腫疑いとして血液内科から依頼を受けEUS-TAを検討する機会がちらほらあります。
しかし、悪性リンパ腫の初診時は検体量が多く必要で6-8回の穿刺を要求されます。出血が危惧されることと、また経皮的肝生検と違いEUS-TAでは組織がばらけやすいので診断率にも影響が出るかもしれないと危惧していました。

今回の論文は、EUS-TAと経皮的肝生検を比較したRCTのSR/MAです。悪性リンパ腫の肝病変に特化したものではありませんが、上記のような危惧を多少緩和してくれる結果でした。
結論として、EUS-TAと経皮的肝生検の診断率に差はなく、有害事象についても差はありませんでした。

当院では、それほど多く肝腫瘍のEUS-TAをやっているわけではありませんが、現在のところ有害事象の経験はありませんので、主に血液内科からの依頼に対して、これからも対応していこうと思います。

今月の論文紹介

Posted by ガイドワイヤー部長