がん治療認定医試験2024
2024年の試験を受験しました。
試験は10月20日でした。
どういった勉強をしたかを中心に記録を残しておきます。
受験した動機は、患者さんの一言でした:「先生、いろんな専門医をお持ちなんですね。」
当院ではホームページに、職歴/所持資格/業績などを公開しています。それを見て来る患者さんもいるんだと実感して、"私が担当になってがん治療を受ける患者さんは、がんの資格があった方が安心するだろう"という気持ちが湧いたからでした。
また、近年急速に適応が広がっている免疫療法について、ちょうど勉強したいと思っていたことも重なりました。
<私がやった勉強について>
●勉強開始時期と勉強時間
大学の頃のような勉強体力はありませんし、試験落ちたら留年するような背水の陣の気持ちもありませんので、集中力はほとんど続きません。勉強時間は1日30-60分。そのため開始時期は、3-4ヶ月前ほど前に始めました。
●勉強内容
①がん治療認定医試験・がん関連試験対策 腫瘍学問題集(第9版)
②2022年に受験した知人が複数人いて、彼らが覚えている範囲で書き起こしたその年の問題(過去問)
③大学の知人が持っていた2019-2021年の書き起こされた問題(過去問)
(2023年の過去問は私の周囲で書き起こした人はいませんでした。)
④1ヶ月前にがん治療認定医機構から送られてくるテキスト
6−7月:
やったのは①ですが、勉強をしていて感じたのは、"④のテキストを全文をそのまま問題に起こした"ような印象でした。テキストを参考にして作られた問題集??という印象でした。何が言いたいかというと、予想問題集ではないということです。網羅的に勉強するには悪くないと思います。しかし改訂は5年に1回程度です。現在のがん治療はそれよりも早く変わりますから、とくに後半の各論部分は、自分が試験を受ける頃には誤っているものが散見されました。
しかし勉強を開始した3-4ヶ月前は、他に勉強するものが少ないです。いきなり過去問やり始めても知識がなさ過ぎて萎えます。また、分からないところをどの書籍で調べればいいかも分からないため萎えます。そのため①の問題集の前半の総論だけを2-3回やりました。
7-8月:
②③をやりました。2回ほど。各論部分は知識がないので、ネットで調べつつ。
各論は難しいです。ここまでに全然勉強していないのと、専門外のことですから。
9月:
テキストが送付されてきます。235ページです。1ヶ月かけて読みました。重要箇所は下線を引いてくれてありますので、それを中心に。テキストを一通り読んだあとに、過去問を1回やり直しました(合計として3回目)。
10月:
10月4日から試験までの間で、テキストの内容をオンデマンドで視聴することが必須事項です。
まじめに受けると結構長くかかります。「ここがテストに出ます」などは言ってくれませんが、大事そうなところは赤字になっていたり、ここは重要ですとたまーに言ってくれる先生はいます。
私は、"視聴する→視聴した直後にテキストを読み直す"ということを1日1-3個やりました。10月16日に全て視聴し終わりました。10月17-19日の3日間で過去問の4回目をやりました。私はこの頃までほとんどレジュメは覚えていなかったのですが、この頃に、各論のテーマごと(脳腫瘍、頭頸部腫瘍、食道がん、、etc.)に代表的なレジュメをExcelに書き出して覚えました。代表的なレジュメとは、テキスト内で最も重要そうに記載されていた1つです。ルーレットアプリを併用し、ルーレットに脳腫瘍、頭頸部がん、食道がん、、、と入力していき、回して出たもののファーストチョイスになる治療をすぐに答えられるように練習しました。私は42歳で記憶力に不安が出て来る年頃ですが、意外とすぐに覚えられました。
10月20日:
試験ですが、予備校の自習室のような環境で、パソコンでCBT形式で回答します。絶対に違う選択肢は右クリックで消せますし、あとで見直したい問題にはフラグを立てられます。感度や特異度などの計算問題はなかったです。
終わってみて、9割は正解したかなという印象でした。2回見直して1問だけ回答を変更し、5分余った状態で退出しました。過去問からよく出たという印象はなかったです。
最後に、私が試験後に思い出せた問題を載せておきます:
βエラーとは何か
脊索腫の好発部位
子宮体癌のリスクは肥満?タモキシフェンとの関係は?
微小管作動薬には何がある?
ペメトレキセドはアルキル化薬?
BiTE抗体はICIの一種?
小児ALLの5年生存率は?
濾胞性リンパ腫の治療方針
有棘細胞癌の発生母地に巨大色素性母斑?放射線皮膚炎?女性のパピローマ?
特別な勉強は必要なく、手元にあるもので勉強していれば回答できる適切な難易度の試験だと感じました。
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