肝門部領域胆管癌の生検部位
複数社で胆道鏡の開発が進んでいるようです。数年後には、安価な胆道鏡が肝門部領域胆管癌に対するルーチン検査になるかもしれません。しかし胆道鏡は、胆道内圧上昇による胆管炎や肝膿瘍のリスクを上げるとされており、検査時間を長くしないためのポイントを押さえておきたいです。
治療よりも肝門部胆管癌の範囲診断のためにやることが多いと思いますので、その生検のポイントを紹介します。
今回は、2019に消化器内視鏡に掲載された特集を引用させて頂きます。
まずは予定術式ごとに必要な生検部位です。
次に生検回数ですが、腫瘍の形状によります。直視下生検ではなく透視下生検の話ですが、
平坦型では、3回採取しないと感度が上がらないようです(2回54%、3回83%)。
結節型や乳頭型などの隆起しているタイプでは、1回目から70%、2回目87%、3回目100%と報告されていました。
平坦型では、本体の採取回数を多めにという意識でいるといいかもです。しかし平坦型は、進展様式としては壁内進展が多いとされています。そのため範囲診断のための生検まで回数を多く設定しすぎると、検査時間をいたずらに伸ばすことになりかねません(生検で採れる組織は表層ですから)。
ちなにみ、当院は胆道鏡による直視下生検の場合、1部位につき2回の採取を行っています。
葉切除なら前区/後区、内側区/外側区など大きめの分岐で生検。
三区域切除なら、B6/7、B2/3など区域枝レベルの分岐で生検。
平坦型は本体は3回くらいを考慮するが、壁内進展が多いので範囲診断に過剰にならないように。
結節型や乳頭型などの隆起タイプは、本体は1-2回の生検でいいかもしれません。
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